【エッセイ 2002年初春 40代からのおしゃれ お気に入りコート】
お気にいりコートや短コート、ジャケット、毎年必ず着るコート、どうしても気乗
りしない時でも着ると、出ていってみようかなというコート、中の服に合わせるに時
間がなくてもこれならまず自分にあうから、というコート・・・
私は結構コートとか短コートを持ってる。人からもらったり、昔からのコートを大
事に使ってる。すでに20年ずっと毎年使ってるのもあるし、ほとんどが20年から10年
（間にブランクがあっても）前からのものである。
でも流行はあるし、例えばダウンコートが流行った年、全然流行らない年、ボリュー
ムコートが流行る年、流行らない年で毎年使うものと使わないものもあるが大抵数年
周期で流行が変わるので、もっている。昔の産物で、日本製、貴重な生地ぞろいだか
ら。
で、一番上の、「なんとなく毎年使ってしまうコート」ストールを書いてるうちに
共通項を見つけた。
「丸い襟。フラットカラーやフラットでも変形襟が多い。襟は立ててない。肩パット
なし。大抵が前合わせがダブルで、しかも襟が左右不対称。巻くような要素。素材は
無地。メインがウール100パーセント、カシミア混とかツイードでもＯＫ」
まず前あわせはダブル、あるいはシングルでもかなり前合わせの部分に布があるも
のが多い。
襟も前ボタンをかけて、また襟は襟でぐるっと片方の襟を首の前にまわして止める
形のものである。だから襟は普通のテーラードカラーでもステンカラーでもない、ダ
ブルの変形襟。
○通勤に使うベージュ無地短コート、20年前くらいにバーゲンで買ったけど、毎年使っ
てるベージュのウールコートもそうだ。ダブルで、襟が大きく、まるで巻きつけるよ
うに着るものとか。（もちろん前をあけても着れるのがいい）内ボタンで外からボタ
ンが見えない。しかし20年連続皆勤賞ものの貴重なコートである。
○今年大いに活用してる黒の通勤用ミニジャケットもそうだ。これもダブルで襟が丸
く前で襟を回して止めるようになってる。母のだからもう20年前くらいのだ。
○春のお気に入りのローズのスプリングコートもこれも・・15年前に買ったのだがこ
れもダブルで襟が大きく左右不対称の襟になる。前ボタン（内ボタンだが）をかけず
にも着れる。春先の外出に重宝してる。
○母譲りの外出用シルクツイードのジャケットもしかり。勝負コートといってもいい
がイザという時に外出用に使ってる、これもそうだ。一見ガウン風だが見るより着る
方がいい。着るより包む感じである。これはボタンなしである。ロングコートである。
ツイードゆえ多少織りの柄はある。
○これも15年くらい前のバーゲンで買ったオフホワイト外出用コート。短ともロング
ともいえないあいまいな長さだが、これも丸い襟で、前がダブル。内ボタンである。
そういえばこの5枚は数年から十数年、なんとなくだが、必ず着てるコートになる。
変形襟、ダブルの前あわせで「巻くように着る」コート類が似合うし好きである。
いわば胸から下は、風呂上りに着るガウンを「巻く」。上にストールを「巻く」。
この感覚が味わえるそういうコートとか短コートなどをずっと着てる。着るより「巻
く」そういう感覚が味わえるコート類である。
まるで着物みたいだ。着物も左右の微妙な不対称であり、襟を重ね、前を合わせる。
胸元にふわりと暖かい空気が入る。
昔着物を着てた感覚を体が覚えているのだろうか。それとも私の顔、どっちかとい
うとおとなしい、お化粧をしない顔立ちに一番似合うからだろうか。
実は今後数年たったらほしいなと思うのはマント。マントは今流行らないけど過去
に一度流行ったマント型のコート。また流行らないだろうか。
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