【エッセイ 2003年初夏 40代からのおしゃれ 松田聖子論】
最近松田聖子の出てる雑誌を見て、驚いた。もう40歳（！！）というのに、20そこそこに
見える、この可愛らしさはなんだ、と。
おそらく彼女は「40になっても聖子ちゃんでいよう」堅い決意をしたのではないか。
あきらめず、ずっとその「聖子ちゃんを維持する」努力を欠かさなかったのだろう。
容姿。
容姿もかなり頑張って維持している。歯はあきらかに矯正してると思う。
しかもあれだけ抜けるように白い肌はどうやって保たれるのだろう。
しかもスリム。服装もひらひらと実年齢マイナス10歳の服をあえて着る。
歌。デビュー当時から歌のテーマをあえて変えない。ハッピーなのりのいい明るい曲。
確かに彼女の場合歌は抜群に上手い。リズム感（聖子リズムと思うが）、このとり方に
関しては今女性ヴォーカルでは、ドリカムの美和ちゃんについで上手いのではないだろうか。
（歌唱力とか音程とか、発声はともかくとして・・・）あの天性のリズム感は真似できない。
もともと実力はある。
しかも彼女は今もっぱらライブコンサート中心である。ミスとかとちりが許されない、
その場で、観客の「のり」が解ってしまう、ものすごい緊張感の場でいつも歌っている。
それに＋選曲である。歌う曲はメロデイラインの優しいもの、これをあえて歌う。
作詞もあえてハッピーな曲にしている。だから20歳前後の人でも歌える。
もともと素養はあるが、彼女の場合、40になるまで、その「可愛らしい聖子ちゃんを維持」
するため、どれだけ20年間苦労してきただろう。
今だから聖子ちゃんは女性に人気があっても30前後から36、37歳くらいまではひどい中傷ばかりだったと
思う。
「いつまでぶりっこしてるの。いい年して・・・」
さんざん言われてきた。紅白歌合戦にうさぎのぬいぐるみまで背負って登場したり、
「いつまでぶりっこしてるの」とさんざん言われてきていた。
「男を食う女」
また離婚に関してもだ。1度目、理想のパパといわれた神田氏との離婚、2度目は
何故といわれたくらい電撃的な歯科医と結婚と直ちに離婚と・・その間も男性との噂が
耐えなかった。
（その前にも一悶着あった郷ひろみとのいきさつ）
聖子の凄さは「いい年して」・・・をあえて無視したところではないだろうか。
そしていかにも女性らしい可憐さを持ちつつ、実はいわゆる常識から、あるいは
男社会の価値観と必死で戦ってきたのではなかろうか。
何故年相応に生きなきゃいけないの、何故自分らしさを貫いてはいけないの、
何故「いつまでたっても可愛い、聖子ちゃん」を貫いてはいけないの。
何故「お母さんならお母さんらしく」しなくちゃいけないの。
確かに可憐な容姿をしているが、今男性より女性のほうに人気があるという。
それは今の30代40代の女性が「できなかったことをしているから」ではないかと思う。
つまり「40なら40らしく、お母さんならお母さんらしく、妻なら妻らしく、年相応に・・・」
可憐な容姿と裏腹に、男性に押し付けれてきた価値観から離れ、自分の努力で（私は彼女を
見てると、もとからあった性格の強さとともに大変な努力をしてると思う）聖子の生き方を
つらぬいている、そして自分でその生き方を貫くだけのお金を得てるからではないだろうか。
自分が信じたライフスタイルを貫き通し、それだけの努力（容姿、生き方、変わらない歌唱力
など）をしてきた結果であろう。
ここまで、あれだけ中傷されても、主張、つまり「自分勝手に見えても好きなように生きる」
ここまで貫いた女性は珍しいだろう。そう、聖子は強い。
何度かの挫折とか中傷を経てたどり着いたものは大きいだろうが、失ったものも大きいだろう。
しかしそれすら乗り越え、吸収していった。
すでに多くの二世歌手、二世俳優が親を乗り越えてきているが、娘、サヤカさんには
しばらく乗り越えられそうもない壁があるんだろうな。
確かにやはり「早く子どもを生んでいること」これも武器になっているのではない
だろうか。
ともかく「一般人が聖子ちゃんを真似てもカマトトになってしまう」だろう。
聖子は「生涯可愛いアイドル聖子ちゃん」になろう、と（これはいつからか解らないし、
そういうことすら考えてないかも知れないが）何十年（数年の問題でない）も
努力してきてる結果だから。そうたやすく数日で一般人が「聖子ちゃん」になれるはずがないので
ある。
ただ個人的には、私は特に「だからといって松田聖子を好き」ではない。ごめんなさい。
