【まずは楽しくうたおう】

　カラオケもあります。民謡もあります。どれも素晴らしい趣味です。ただ歌の楽し
さ、合唱することの楽しさというのはどういうことでしょうか。

　人間は皆声が違います。しかし数人がひとつのパートで一緒に合わせようとして歌
う、そして出来たら別のパートと合唱して和音を合わせようとする、そうするとまた
違った音色になります。その心の一体感にあるのではないでしょうか。

　たとえば私の声はふわっとして響きはあります。芯がない声です。しかし一緒に声
の太い人と歌うと、私の響きと彼女の芯のある声があわさって、また一人一人にない
響きを作ります。これは数人で歌っても数十人でも一緒です。たとえば一つのパート
でもこの人の横で歌おう、声を合わせよう、一緒に歌おうと意識したら、まとまりが
出ます。私の声は軽くて戦力にならないと思っても、響きの少ない太い声のソプラノ
の人と歌うと彼女の欠点をカバーできます。また彼女は私の芯のないことをカバーし
てくれます。
　また和音、つまりいくつかのパートで歌っても同じです。ベースの声を基本に歌う

それはしっかりそのベースの声を聞いておかないといけません。ひいては仲間の声や、
もっと推し進めると、その人自身を大切にします。

　一緒に歌うには歌の協調性と同時に人間としての協調性も必要です。

　それを意識してると友達になれます。何度も歌うことで一緒に合わせることで歌を
とおした友情が生まれます。

  自分一人で歌うのでなく、ほかの人の声を聞く、それから合唱が始まります。そし
てほかの人の声を聞くということはその人を大切に思うことでしょう。

　そして合唱は腹式呼吸です。内蔵楽器といわれていますがかなり体力が必要です。

　そして仲間がいます。おしゃべりするということは非常に精神的にいいのです。
　
　そのために今合唱してる人、私が教えている子どもたちに合唱を楽しめる最高のコ
ンデイションで歌えるようにしてくださいと思うのです。

　歌を歌うことは技術だけでないのです。合わせようという真剣さが必要です。