エッセイ　私ブランド

手作りとか、リフォームをはじめたら、ブランド品よりノーブランドがいい、
あるいは古い服が好きになりました。

1枚十数万のスーツがあったとしても、ブランドものなら手を染めるのも、着るすら勿体
なくて何もできないでしょう。

古いものは、ただ、ですので、たとえば一旦きれいに家庭用クリーニング剤で、
２回必ず家で家庭用クリーニングした後、きちんと乾かします。

パンツならウエスト修正の後、おもいきり短く、あげをしてクロップドに近くしてみたり
あるいは、ジャケットでも、肩パットをはずしてみたり
（そのくらいのことはできるので）
ジャケットなどでもだぶつくものに、多少、ダーツを入れてみたり、
丈の短いスカートの折り返しをのぞいて、そこにフェイクスエードなどで
パイピングしてみたり、フェイクファーをつけてみたり。
ニットの袖を思い切ってきってみたり・・・そういった楽しみが増えました。

母や叔母からもらったスーツのスカートのウエスト直しは3枚は業者さんに頼んだけど、
普通のスカートの5枚のウエスト直しは自分でやれた。（巻きスカートとか途中ゴムなら出来ます）
これら叔母から譲り受けた服も古いからできるし、しかもこういって作り直して、自分に
あわせた服とかブーツは（ブーツも中に中敷を入れたり）自分ブランドなんだ。

だから、そして手作りのファーとか、ストールも自分ブランドだから。
たとえ高級なブランド品より、私にとっては母や叔母や、そして何より
私と譲り受けたものの、愛情があるものだと強く感じています。
その母のトレンチコートを私が着て、それを高校2年の長女に貸して着せて、親子3代で
着るという幸せがあるのだろうなとしみじみ思うし、末っ子の（娘全員女でよかった）
スカートは私買ってた布のリフォームとか。長女がもっと暖かいスカートを
作ってくれというと、私ブランドで作ってやっています。（この子はアクリルの
アレルギーなので、分厚い綿製品の布でないと痒みが出るので）

グッチやエルメス、その他の世界にはおよびもしませんが、私ブランド。

昨年は毛糸でバックを編み、今年はフェイクファーでテイペットを作り、そして
来年は私ブランドからどういう作品が出るでしょうか。

ものにも魂があります。言葉に言霊があるように。私がリフォームした服は
私の魂を一針一針に縫っていくような気がします。

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