【耳下腺の反復炎症その２、子供の反復性（慢性）耳下腺炎】
何度も唾液腺が腫れます。おたふくが何回も腫れることはないとは思う思うのですが？
・・・・・・・・・ 耳下腺の反復性炎症その１でもあります。
特に子供でくり返す場合を書いておきます。
これにはいろいろな説があって耳鼻科では
1）弱毒の口腔内常在菌を起因とする広義慢性耳下腺炎があり、その急性像悪が耳下腺
腫脹の反復とする説（今野昭義ら）
2）末梢導管の形態異常がある小児に弱毒菌を起炎とする感染が加わり腫脹を
反復するという説（Ｅricsoｎら）
あるいは免疫説とか自己免疫説も過去にはあったくらいではっきり原因は解りません。
子供にはおたふくかぜという耳下腺炎(ウイルス性)があってこれは一回かかると生涯
免疫が出て2回目は起こりませんが、またおたふくかぜのワクチンをしてるとかかり
ませんが、何度も耳下腺を腫らす子どもさんがいます。
これを『繰り返す子供の反復性耳下腺炎』といったり『子供の慢性耳下腺炎』と
言う場合があります。実は広義では慢性耳下腺炎といってもいろいろな意味に取れる
場合はあります。
１，たとえば繰り返す小児の唾液腺炎症でも、これを使う先生もいます。唾液腺炎(耳
下腺、顎下腺、舌下腺など)の反復するもので細菌性疾患であるものです。
また一回起こってひいても数カ月後や数年後にまた少年時代に反復するのです。
『反復性唾液腺炎』『反復性耳下腺炎』と言いますが、これは男の子に多く原因は解
りません。大きくなったら治る事が多いです。年に１、２回片方もしくは両方の耳下
腺が腫れます。顎下腺が腫れる時もあります。
前におたふくかぜにかかった場合も、また腫れることもあります。
しかし、まったくおたふくかぜの既往（これは抗体で調べると解ります）
つまりおたふく風邪にかかったことがなくても起こることがあります。
一回一回抗生物質投与など数日でなおりますし、また人にはおたふくかぜのようにうつしません。
ただ一度はたふくかぜにかかっていることは確かめた上で決めるか、あるいはこの耳下腺の腫
れはおたふくかぜウイルスと関係ないことは証明した方がいいでしょう。
その急性発作の時は痛みがあったりとさまざまです。
しかし、必ず一回一回(多少腫脹が発作の間に残ることはあっても)抗生物質で改善し
ますので、しかもウイルス性のようにおたふく風邪難聴を起こすことはないので、安
心ください。
繰り返す小児の反復性耳下腺炎の始まりなら、腫れの原因は細菌であっても『なぜ繰
り返すか』それがまだ解ってないことはあります。
原因説も、免疫とか、あるいは耳下腺の腺の狭窄がおこったとかいろいろありますが、
れにかかっていても『おたふく風邪の抗体が出来ていない』
つまりおたふく風邪にかかってないまま、この反復する炎症にかかる例もありますし、
また急性炎症から続いて起こるといわれていても、なぜそれから反復するかとか
長引いたり、片方だけだったり、あるいはおたふく風邪と、因果関係がな
かったりとさまざまです。まだ本当の所は解ってないことも多いのです。
この反復性耳下腺炎の既往があっても、
今までおたふく風邪の既往がない、ワクチンを受けたこともない子供さんは、おたふく
風邪にはかかる可能性はあります。
しかもこの疾患をくり返すうちに、いつのまにかおたふく風邪の抗体価が上がってた
（それは何回目かの反復性耳下腺炎がたまたまおたふく風邪だった事だったかも知れま
せん。）
あるいは、大人になっても、今だおたふく風邪ウイルス抗体価が上がってない、ウイル
ス感染はしてない例もあるなどいろいろです。
逆にウイルスには罹患歴もあったりオタフク風邪ワクチンをしてても反復性耳下腺炎に
かかるなども沢山例があります。
ただオタフク風邪は人にうつす可能性があります。あるいは余病として男の子なら
生殖器とか、男女でも難聴への影響がウイルス性なら、なきにしも有りません。
この場合でおたふく風邪にかかったか、ワクチンを打ったか記憶がない場合、おたふく
風邪のワクチンは行っておいた方がいいのではないか
と思います。それも先生と相談ください。
唾液腺へのご質問へのページに戻る
トップページへ戻る