【先天性中耳奇形】
これは生まれつき中耳に奇形のある疾患です。
音というのは、外耳道から鼓膜をふるわせ、中耳という所（ここが中耳炎の巣です）
の中の小さな3つの骨、耳小骨を伝わって、内耳という音で信号に変えて神経に伝え
る場所に行きます。
しかし、この間の中耳の奇形で、中耳が欠損とか、耳小骨形成不全とかで音がうまく
伝わらない、そういった奇形を伴う場合も多いのです。これは詳しくはＣＴ，ＭＲＩ
でないと解らない場合も多いのです。
そっちの耳の聞こえが悪いとＡＢＲなど聴力検査で解り、またＣＴ，ＭＲＩや耳のレ
ントゲンで解ります。これもその奇形の形態で手術をすることが最終的な治療です。
しかし片方のみ奇形と両方とも奇形では、片方が正常ならもう一方の耳の手術は施行
しないこともあります。時期を遅らせてからのこともあります。（これは片方の聞こ
える耳で十分両耳聴覚機能を果たしているから）
しかし両方のこういった中耳奇形の場合は、できるだけ聞こえるように鼓室形成術で
どっちかの耳の音がきちんと聞こえるようにします。これはともあれまずは片方から
です。
不思議にも片方すれば子供はそっちで全聴力をこなせることが多いですから。
この奇形形態によって、また内耳奇形を伴ってるかとか手術でどのくらい聴力が上が
るかとか手術内容も個人差があります。原則としては慢性中耳炎の『鼓室形成術』に
準じる事が多いです。
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