【口から出る出血より、喀血（かっけつ）吐血（とけつ）】
ふたつとも口から出る出血です。ただし、主としては、歯肉出血や口腔内出血などは
含まない意味で言われることが多いです。血痰も平行してお読みください。
喀血の一部は咳を伴う出血として耳鼻科領域にもなりますが、メインは喀血、吐血と
も内科、外科疾患になるので、鑑別と、その原因疾患について簡単にまとめておきま
す。
定義としては
喀血・・・・喉頭から肺に至る気道のどこかで起こった出血が喀出されたもの。
血痰として出ることもあります。
吐血・・・十二指腸より上部消化管で起こった出血が吐出（嘔吐とともに出る）
されたもの。
鑑別は大変困難ですが、鑑別の基準を書いておきます。
喀血 吐血
排出方法 咳による 嘔吐による
色 鮮紅色が多い 暗赤色、コーヒー残さ様
性状 泡沫様 凝固せず 塊様、凝固
食物残さ なし あり
糞便 黒色でない しばしば黒色、タール便
随伴症状 胸部苦悶感 悪心、胃部不快感
頸部掻痒感
臨床症状 胸部症状 腹部症状
病歴 肺、心臓疾患 胃、肝臓疾患
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○喀痰の種類
咳を伴って出血することが、あるいは咳の中に鮮血としてまじることも多い。耳鼻科
疾患もあるが多くは呼吸器内科疾患が多い。
１，外傷・・・肋骨の骨切片の肺実質への刺入など。交通事故や事故。
２，異物・・・異物刺入によるもの、あるいは異物停留による感染など。
気管支、気管異物関連であり。
３，炎症・・・気道のすべての感染で起こりうる。喉頭炎、気管支炎、肺炎、結核や
慢性の肺や気管支、気管疾患など
４，腫瘍・・・腫瘍は肺、気管、喉頭など位置は様々
５，循環障害・・肺栓塞、左心不全などの循環器障害
６，その他・・・全身の血液疾患、血管障害など。あるいは代償性月経など。
咳を伴って出血することが、あるいは咳の中に鮮血としてまじることも多い。耳鼻科
で確認できない場合は呼吸器内科に紹介。
○吐血の種類嘔吐とともに出ることも多い、多くが消化性潰瘍、ついで食道動脈瘤胃
ガン、胃炎など。消化器内科疾患になる。
１，食道動脈瘤・・・・肝硬変の既往あり。
２，食道炎、潰瘍
３，MalloryｰWeiss症候群
４，胃、十二指腸潰瘍
５，胃ガン
６，胃炎
７，その他
吐血の場合かなり多量の出血がありショック状態を示すこともある。。
吐血は主に内科的疾患（消化器系）ゆえ、緊急内視鏡や、あるいはショックを回復さ
せての内視鏡（胃、十二指腸などの上部消化管）で確認。保存的治療かあるいは緊急
手術（内科から外科へ）は内科医、外科医の判断を仰ぐ。
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