若紫
原作 源氏物語 若紫などから
後半 若葉上 若葉下 御法 幻 雲隠
原作のあらすじ
源氏は病みにかかり、北山の高僧に加持祈祷をしていただくために春爛漫の北山に出かけ
た。都の花は散り初めていたが、山桜は満開であった。ふとさっぱりと整えられた庵に気
がついた。女房が多いところを見ると女あるじらしい。
桜の木の下に少女が走ってきて、悔しそうに顔を赤らめて泣いている。十歳くらいだろ
うか。どうしたのという上品な尼(北山尼）に話す。
｢すずめの子を犬君が逃がしちゃったのよ。とっても大事に伏籠にいれておいたのに・・｣
という美少女。藤壺宮にそっくりだと驚愕する源氏。
それもそのはずでその少女 若紫は（のちに若紫といわれるので若紫にしておこう）。
父が兵部卿宮（兵部卿の宮）という。
兵部卿宮は、藤壺宮の兄。だから若紫は藤壷宮の姪になるのだ。
兵部卿宮は先妻、つまり、若紫の母を失った後、若紫の母、すなわち祖母の尼君に若紫を
預け、さっさと再婚した。先妻の子、若紫は兵部卿宮の今の妻(北の方）に疎んじられた。
そのため先妻の母、若紫の祖母にあたる北山尼に預けられる。
北山尼は北山の高僧の実妹ゆえ、ここにひき込み、亡き娘の遺児である若紫を育てて
いたのだ。
北山尼は病気がちで孫、若紫の行く末を源氏に託する。藤壺宮とそっくりな少女をやがて
源氏は、少女の父、兵部卿の宮が引き取りに来る前に、自宅に引き取る。
怜悧な十二歳の少女は源氏に教育され、愛され、やがて理想の妻となっていくのであった。
