【口蓋扁桃周囲膿瘍】
副咽頭間隙膿瘍、咽後膿瘍も参考にしてください。
頸部感染より、副咽頭間隔膿瘍および咽後膿瘍について各論も参考にしてください。
口蓋扁桃周囲膿瘍についてまず説明します。口蓋扁桃炎というのは、扁桃炎（俗に
いう炎症をすでに繰り返す）か、もしくは初めての方でも起こります。
ところが口蓋扁桃周囲膿瘍は口の中の口蓋扁桃腺の炎症だけでなく、それが一層増悪
した状態です。口蓋扁桃周囲膿瘍は口蓋扁桃腺内部の炎症だけでなく,『周囲の結合
組織に炎症や細菌がどんどん広がる状態』これが扁桃周囲膿瘍です。
耳鼻科では、あまりに膿瘍がひどいとまず食べれない発熱がすごい、涎も出る、なん
せ猛烈な痛みということで一部口腔内から膿のたまってる所を切開します。
この口蓋扁桃腺の『周囲の組織の中に膿が広がっている状態』ではものが食べれない
くらい痛く、白血球増加、発熱などがあります。この状態になるとやはりその『周囲
の膿を切開して排膿する』のが一番で、この状態では食べれなくなるので、外から栄
養点滴と抗生物質の使用が必要で入院になります。
外来でも通院を数日していただきます。
ただ運良く点滴で軽快したかあるいは自然自壊する人もます。
耳鼻科では主治医の先生の判断で切開して膿をとる場合が多いです。ただ今度、こう
いう周囲に広がりやすい口蓋扁桃の急性増悪をあまりにも繰り返す例にはやはり『大
本の口蓋扁桃を摘出する』のが(つまり扁桃腺を取ると言います。口蓋扁桃摘出手術)
これが実は一番の予防です。これは感染や周囲膿瘍が落ち着いている時に行います。
酷い時には行いません。
手術は全身麻酔で行いますので痛みはありません。(もちろん手術直後、
麻酔がさめてからは数日痛みますが)
こういった扁桃周囲膿瘍であまりにも広がって,まったく食事ができない状態になっ
たり、細菌が抗生物質の効きにくい種類で、膿の広がりがのどの奥や首,胸のほうま
で進んで呼吸困難までになった例,全身に細菌が回って敗血症となって高熱が何週間
も取れなかった例など、扁桃周囲膿瘍は怖い場合もあります。
やはり若い方に感染する細菌は、その若い方が体力がある、それにもかかわらず感染
するから菌自体がものすごく力が強いのです。
周囲膿瘍も1回で済めばいいのですが口蓋扁桃腺に昔から炎症があったことはなかっ
たでしょうか。
同じ症状になったら,主治医の先生から説明があると思いますが口蓋扁桃腺の
摘出などの対象になることがあります。『繰り返す扁桃周囲膿瘍』も口蓋扁桃
摘出手術適応です。
これで終わりと思わずに何か喉に違和感があれば早めに耳鼻科に行くか、あるいは
内科がかかりつけなら、早めに受けておいてください。
トップページへ戻る