【鼻の外傷 鼻骨あるいは鼻中隔骨折】
鼻は損傷を受けやすいものです。交通事故、その他事故、スポーツ外傷、ケンカ、転
倒などいろいろです。顔面の外傷（特にスポーツ外傷）も参考にしてください。
鼻骨というのはメガネをかけた時にちょうどメガネの柄があたる、鼻の付け根の所で
す。ここだけでなくその下の鼻中隔（つまり右と左の鼻の間の壁）も骨折させること
もあり、合併することが多いのです。
１、斜鼻
外傷によって、外力が鼻骨の側面から働き、鼻骨が横にずれた形。このとき鼻骨隔も
骨折して横にずれることが多いので、どちらかのずれた方の鼻が詰まります。
２、鞍鼻
外傷によって、外力が鼻骨の上から働き、鼻骨が下に落ちる形の脱臼と陥没を起こし
ます。鼻の付け根が陥没してる形で解ります。
診断は外力を受けた直後は視診、つまり見るだけでも容易に鼻の形で解りますが、数
時間後にはそこに血腫や浮腫（ふくれ）が起こり、鼻がふくれるので診断できにくい
こともあります。すぐに外力を受けたら耳鼻科、あるいは休日ならただちに救急の外
科に行かれてください。
交通事故や職場事故ならしかるべき連絡をするように。（警察や職場の管理部など）
交通事故などなら加害者でも被害者でも警察へ必ず連絡するようにしてください。
まずレントゲンで鼻骨の骨折があるかは比較的容易に解ります。でも救急外科の場合、
鼻骨修復までするかどうかで、休日や夜間なら１日おいて次の日に昼間に一般の耳鼻
科で修復術をすることが多いようです。開業医でもどこでも大抵の耳鼻科は出来ます。
これはまずレントゲン撮影はしますが、後できたら事故前の大きく顔がうつってる写
真があれば参考になります。
耳鼻科では鼻の穴の中を十分ガーゼタンポンに麻酔薬を湿らせ、鼻の穴の中に入れて
待って、しびらせてから鼻の穴から『Wslshamかんし』『ペアンのかんし』など鼻骨
骨折に使う器具を使って鼻の穴経由で鼻骨と鼻中隔骨折や脱臼の修復をします。（用
手整復）後この鼻骨がばらばらになってる場合などは形成外科的な修復手術を行うこ
ともあります。
ただ用手整復は整復そのものは脱臼を直すようなものですから、瞬間に使う時間は一
瞬です。きちんと整復されたら、元に鼻の形も戻りますし、鼻の通りも左右対称にな
ります。用手整復の後は鼻の穴にガーゼタンポンを入れて次の日に外します。また鼻
の上からギブスの代わりをする紙の板を乗せることもあります。
それから約１週間ははげしい運動は禁止のほうがいいのですが、簡単な鼻骨骨折なら
用手整復の後仕事も出来ます。（要するに脱臼を回復したようになりますので）
ただ用手整復は72時間以内が望ましいので、ケンカなどで恥ずかしいと思わずにただ
ちに耳鼻科に受診してください。
２週間以上たったら形成外科に紹介することもあります。すでに脱臼もしくは骨折し
た骨が回りと固まっていることもあります。
鼻を打ったらただちに平日なら耳鼻科、休日なら外科当番に受診してください。交通
事故の時は事故後の手続きを忘れないように。
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