【エッセイ 2001年初冬 日々こもごも 全日本体操選手権を見て思ったこと】
エッセイ 2001年10月19日の朝に・・・体操世界選手権への選手派遣中止･
エッセイ 2001年晩秋 自分を探して 10月ショックから
エッセイ 2001年晩秋 自分を探して 体操界、私の男子体操にかける想い
エッセイ 2001年晩秋 自分を探して スポーツ界の不況と河合楽器体操部の休部から
続く。
先週の日曜に片道２時間の高速道路の山越で、高知へ全日本新体操選手権、その次
の23日の金曜にまた全日本体操選手権を見にいった。
全日本体操は男子はかなり重苦しい感じがした。世界体操選手権へ選手を派遣しな
かったこととか、名門河合楽器の廃部、そして日体大体育館の焼失で選手たちが練習
環境に困った、いろいろなことがあったから。しかし世代交代を感じた。
このままでは特に男子体操は滅びる。で、かなり実利的には「お金」だと感じた。
１、技術は世界のトップを維持してる男子体操
ニホンの特に男子体操は技術的には世界に通るところか、 席のうしろで関係者の方
たちが、お話ししてたように「今年選手を派遣しなかった世界選手権に行ったら少な
くとも3位。特に今まで塚原直也（朝日生命）頼みだったのに冨田洋之（順大）とい
うすばらしい選手が加わった。個人総合はとうとう 塚原直也（朝日生命）から冨田
洋之（順大）に優勝が変わった。「世界選手権・・・派遣してたら、男子は金を団体
で取れてたかも知れない」わたしもそう感じた。
ともかく、例えば個人総合でも、たら、ればはいけないが、世界選手権にあの特に
個人総合で直也だけでなく冨田洋之(順大)が出てたら、富田（しかし柔道の井上康正
に似てる・・・・）はメダル争いをしていただろう。
あの本人いわく「苦手なゆか」でも今回団体戦メモでは9.350。 直也との違いは、
直也は力型だが富田は、 実際見て思った。 こんな肩関節の動きがきれいな選手はか
の加藤沢男さんとか西川大輔だと。
平行棒とかつり輪など倒立にもっていくとき、 直也なら力でもっていく感じ。ところ
が富田（かつては加藤沢男さんとか西川大輔は肩関節をくるんと回す感じでもってい
く感じ）は肩関節を本当にきれいに使う。天性としかいいようがない。
これだけの選手がいる、つまり今世界に出たらおそらくかなり通用どころか世界の
３位に入れるかもしれない、こんな力を維持させるために、ここまでもってきてる力
のために、今から私たちも頑張らないといけないのではないかと思う。
２、ジュニアとかアンダー20、特に今大学3年以下は確実に育ってる。
特に今回行ってよかったのは団体１部で高校生を見れたことだった。まだまだ未熟
だし演技はむらがありながら、体が出来てる選手が多い。馬場亮輔(埼玉栄高校)、石
川慶(埼玉栄高校)ら埼玉栄のメンバー。清風の小林研也(清風高校)、上田和也(清風
高校)村田憲亮(清風高校）遠藤真希（朝日生命体操クラブ、今高校2年）、川間大志(
田辺工業）藤田上総(太成高校）らが実にいい体操をしてたこと。
また大学も3年以下の選手がひっぱっている。高校から大学にあがって１、2、3年
はどこの出身でも大学でも冨田洋之(順大)を筆頭に各チームのもはや中心になってい
る。 彼らはまだ２０歳以下ではつり輪とか平行棒などの力系がまだおぼつかない。で
きたら大学卒後最低２年くらいは自分で大学院に行かなくても体操も続けさせたい。
３、でもさきゆき不安は感じる。実業団主体から、そろそろと協会中心に考えないと
いけない。
会場に垂れた幕の「河合楽器体操部をつぶさないで」の文字。河合楽器だけでない。
すでに大和銀行廃部から大翔会になったもの、これも9月で契約が切れ解散になる。
折川高志(河合楽器)や平本将人(河合楽器)は高校時代から注目されてきている。移籍
あるいは後数年は体操を続けれる環境を協会が考えてほしい。
４、今年の大学4年はどうしたらいいか。また解散する河合楽器の若手などは・・
柳浩二郎(筑波大を一人で引っ張ってた4年)などが該当する。折川高志(河合楽器
社会人1年目)とか平本将人(河合楽器 社会人2年目)はもっともっとのびる。平本将
人(河合楽器)の脚力はまだ完全に華開いてない。
５、これからは財政の話。金銭的な面、入場料はとっていいのではないか。
今回全日本は無料だった。（プログラムは有料ですが）ただ私はＮＨＫ杯とかほか
のスポーツでも「全日本選手権」でも、行って、きちんと入場料を取る競技は知って
いる。国体やインターハイは無料でもともかく全日本はきちんとそれほど高くなくて
も入場料をとっていいのではないだろうか。これは賛否両論あるかも知れない。大人
1000円以内、 小学生中学生高校生なら500から800円くらいは徴収して財源に使って
もいいと思う。また３日共通券など2000円で売るとか。
私は新体操も体操も全日本ならそれでもいいと思う。
６、スター選手（マスコミ受け）がほしい。
1992年バルセロナ五輪が終わった時に高松で全日本があったとき、西川大輔、 池谷
幸雄みたさに体操会場に女の子がおしかけごったがえしていた。
ソウル五輪直前の1988年ＮＨＫ杯からずっと92年ごろまでこの2人を見たさに「にわ
かファンでも体操を見よう」という人は多かったし会場はうまってた。 (長野以降の
ジャンプ人気かも知れないけど)1988年奇跡のように彼らはソウル五輪で団体銅メダ
ルをとって若さとルックスのよさで人気が出た。バブルといってもそのバブルを大切
にしたいと思う。
たら、ればながらシドニー五輪で彼らがロシアに僅差で団体４位になったけどあれ
が３位なら銅メダルなら？マスコミに出れたし、直也だけでなく今回出てなかったけ
ど笠松昭宏はおやじさまのことを記憶してる人も多い。また直也だけでなく直也とか
笠松だけでない。斉藤良宏も藤田健一も原田睦己も（五輪メンバー）・・・
ルックスがいい。岩井則賢(大翔会)の怪我からの奇跡的なカムバックは十分話題に
なる。
俗かもしれないけどテレビのワイドショーでも出れた。それで体操選手ってこんな
に素敵なのと体操をまったく知らない女の子にも解ってもらえたと思う。（現実五輪
２位だったシンクロとかメダリストの続出した水泳は人気が出たが、いかんせん女性
選手・・・）
まずテレビに出たら若い女性に人気が出そうな体操選手だっただけに。
後コンマちょっとでシドニー五輪４位だったという不運が人気を左右するという、こ
の五輪大好き国はそういうものなのだ。
このスター選手が出たら、マスコミも注目するだろう。
今若手にはいい選手がいる。ベテランも。
直也だけでなく冨田洋之(順大)（もっとも彼は昨年でなく今年からどんどんてきた
選手ですが）などがまだいる。
かえすがえすも五輪で銅だったら。確かに五輪だけが世界との戦いでないけど一般
の体操を知らない人はそれくらいしか見てくれない。五輪はマスコミの力を借りる、
あるいは人気スポーツになる材料になるところだ。
特にルックスもスタイルも感じもいい彼ら（ルックスも十分問題です）は今もうプ
ロアマの枠を早くとり（どうぞ体操協会、どんどんとってください。肖像権など）Ｃ
Ｍなどにも出してそこから体操をアピールしてほしい・・・。新体操もそうだ。今の
体操や新体操選手なら、絵になる選手が多いです。
マスコミにこびるわけでない、しかし金銭面とか人気とかスポンサーをつけるため
にはおおいにマスコミを利用しないと行けないと思います。
６、協会くるみでまず考えないといけないのは金銭と人気の問題。
ずばっと書きますが、技術方面と、金銭人気スポンサー方面で、片手間だと感じます
（逆に後者だけ重視したからかも知れない。毎年グランドチャンピオン大会を開催し
ながら、五輪に男女とも出れなかった６人制バレーボールもあるけど）
今までどっちかというと日本体操協会は前者重視だった。だけど『観客を呼べる競技。
スポンサーを呼べる競技。いい選手を育てるだけの金銭を取れる競技』も『技術面の
向上』とともにバランスよく考えることではないだろうか。
てっとりばやくは３，４、５、６だろう。
でも1980年から87年もこんな感じだったのです。いくら具志堅幸司選手が金をロス
五輪でとっても。 体操はまったく不人気でした。
しかし88年のソウル五輪から体操人気がすごかったことを記憶している。 あのくら
い人気があったら・・・（しかし８９年、９１年の世界選手権で４位だったとき、西
川、池谷中心でも人気はあっても実力が・・・とたたかれ、今の逆）
今回どうやったらいいかだけ一生懸命、全日本体操選手権を男子団体を中心に見な
がら考えていた。
