【甲状腺 結節性甲状腺腫、腺腫様甲状腺腫】
甲状腺でも結節性甲状腺腫、もしくは腺腫様甲状腺腫という腫脹する疾患を
書いておきます。
結節性甲状腺『疾患』を呈するものの中で、特別に結節性甲状腺腫、もしくは腺腫様甲状腺腫
と呼ばれています。
腺腫様(結節性）甲状腺腫の場合について書いておきます。甲状腺腫脹の項も、参考にしてくだ
さい。
adenomastous goiter (腺腫様甲状腺腫)といいます。
別名、Nodular Goiter（結節性甲状腺腫）ともいいます。
甲状腺ホルモンの合併障害が起こり組織が増殖して結節になると言われています。な
ぜ結節性といわれるかと言うと触れる感じがごつごつしたり、しこりがあったりで一
律でないのです。組織診断で大体解ります。（びまん性に腫れてる場合は単純性甲状腺腫なども
あります）
しかしまず大切なことは鑑別です。
シンチグラムやCT、超音波検査、それに何より経過を見る（急激な大きくなるようなこと
はないか）また組織診断などです。しかしこの腺腫様甲状腺腫の取り扱いは確立して
いません。甲状腺機能検査 なども行います。
保存的に小さくなるという考えとか（二次的変性で小さくなる）また時々
文献では癌腫が合併しうるという考えがあり、医師によっては積極的に摘出を進める
先生もいます、が、これも潜在ガンだけにとどまりこれから組織的には癌腫もあって
もそれが増大しないと言う説とか、いまだあきらかにならないのです。
したがって腺腫様甲状腺腫があっても手術と即決まりません。
で手術適応としては
１ 美容上問題になる大きな結節
２ 気管食道などへの周囲組織の圧迫
３ 甲状腺機能合併症の合併（これは完全にバセドウ氏病でないながらバセドウ氏病
の所をお読みください）
４ 癌腫の疑い（急激な腫脹など）
経過を見るということになる場合もあります。多発性結節性の腺腫様甲状腺腫の場合
で小さくて、明らかに良性結節と思われる場合はしいて手術を施行しなくていいが、
変化の著しいものはガンの合併もありうる、というので手術が普通の考えになってい
ます。
後一般に甲状腺手術は難しい合併症もあります。
甲状腺組織の中には声帯を動かす声帯への運動神経が（反回神経の末梢神経）
複雑に入り込んでいる場合があります。
手術で傷つけないにしても後の組織の腫脹でそこの神経圧迫で声が出にくいとか、そう
いう例もあるのです。
あと場合によっては摘出後、甲状腺ホルモンの調整とか、術前よりも
難しくなる場合もあるリスクもあります。また再発もありうることです。
そこまでリスクがあってかつ手術をするか、それとも様子を見るかということも考慮
して、１から４までの適応があまり感じられない場合は（特に２はあきらかな圧迫症
状です。
息苦しいとか食べれないので痩せてきてるなど。圧迫される感覚なら
咽喉頭異常感症にもあります。しばらく様子を見ることでしょう。
手術もその腫脹してる所だけの部分摘出、あるいは全体を摘出
（これは後ホルモン補充を行う事が大変なので
やられていません）です。
大体手術は全身麻酔で入院は1-2週間、術後安静自宅療養は1カ月でしょう。
先生と相談されてこの疾患について詳しくお聞きになることをお進めします。
心配な場合は甲状腺は非常に難しい疾患ゆえ甲状腺専門の外科もしくは内科外来で内
分泌疾患の科に相談してはいかがでしょう。
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