【甲状腺腫脹】
まず判定されたもの、甲状腺が腫れる疾患とか病的状態には本当に種類が多く一応考
えられるものだけ書いておきます。症状は各疾患によってさまざまなんでまずは、は
やめに医療機関へいって、これは確かに甲状腺腫であり、どういうふうな疾患か主治
医の先生としっかりお話ください。甲状腺機能検査、甲状腺機能亢進症状、でも調べます。
それぞれの疾患は甲状腺と頚部疾患へのご質問のページを参考にしてください。
甲状腺には次のような疾患があります。
（1） 急性化膿性甲状腺炎・・・急性甲状腺炎。
（2） 慢性の甲状腺疾患
a バセドー氏病・・・・甲状腺とバセドー氏病、甲状腺機能亢進症状、
b 以下の甲状腺の慢性疾患
橋本病・・・・甲状腺と橋本病（慢性甲状腺炎）
(甲状腺が全体に腫脹します)
亜急性甲状腺炎
(発熱や痛みを伴う場合が多い腫脹です)
ここからがいわゆる腫瘍についてですが3と4は時に分類がさまざまで、耳鼻科で一番
多い分類について書いておきます。ただ3と4は良性ですがしばしば分類が下に書いた
のと違っている場合があります。
（3） 結節性甲状腺『疾患』を呈するもの
『結節性甲状腺疾患』といわれるもので、いくつもあり、
その中に『結節性甲状腺腫』といわれるものもあります。分類しておきますと
（3の1）良性腫瘍
嚥下運動（ごっくんとものを飲み込む時）とともに動く平滑な境界が鮮明な良性腫瘍
で『可動性』があります。多くは単発ですが病理上でほとんどが濾胞腺腫ですが、ま
れにある乳頭腺腫に分けられます。2から3センチのめだたないものは経過を見ます。
5センチ以上の目立つものは手術して摘出します。
（3の2）良性腫瘍類似病変
a 腺腫様甲状腺腫（『結節性甲状腺疾患』の一種）、別名結節性甲状腺腫ともいうことも
あります。結節性甲状腺疾患と区別して分類されています。
結節性（腺腫様）甲状腺腫を参考にしてください。
腺腫に似た結節が甲状腺に多発して
腺腫のように平滑でなく、でこぼこしてる場合もあります。
これを結節性甲状腺腫、あるいは腺腫様甲状腺腫と言う場合が多いので
別個に書いておきます。
（この腺腫様甲状腺腫と3の良性腫瘍とは鑑別が困難なことがあります)
b 襄胞 先天性に袋(襄胞)が見られるものがあります。
いずれにしろ,これらならあまり心配はないと思いますが1，2などは内科で治療する
場合が多い疾患であり（3-3）では悪性腫瘍ゆえここで疾患との鑑別が必要ですね。CT
やシンチグラム、エコー、そして甲状腺の機能のホルモンの値の測定などで鑑別でき
ると思います。実際それをもって経過を見て大きくならない時は一生過ごすこともあ
るものですから。
c 若年性のびまん性甲状腺腫脹・・・ 単純性甲状腺腫
これを別個に分類する場合もあります。若い女性
で甲状腺だけがふっくらと腫れていても症状なし。経過観察です。
単純性甲状腺腫という、症状もなく腫脹のみある疾患を別にかいておきます。
単純性甲状腺腫イコール若年性のびまん性甲状腺腫脹かということも
調べないといけませんが
若い女性に多い単純性甲状腺腫として分類されることが多いので
単純性甲状腺腫として別に書いておきます。
ここから悪性腫瘍になります。
（3-3）悪性腫瘍
組織によってさまざまです。3-1，3-2にくらべもっと堅く、動きが悪く(固定性)も
ちろん皮膚の上から触診できます。この場合進行すると反回神経マヒ(声が出なくな
る)、呼吸困難、えんげ(飲み込むこと)困難があります。濾胞ガン、乳頭ガン、偏平
上皮ガン、髄様ガン、未分化ガンなど多彩です。
また、ここが原発でない転移性のもの、あるいは全身性の悪性疾患など（悪性リンパ
腫など）さまざまです。穿刺吸引細胞診で確実に組織を検索することが評価されてき
ました。あと腫瘍マーカーとして、髄様ガンの時のカルシトニン、CEAや、あるいは腫
瘍摘出後の遠隔転移のマーカーとして、血中サイログロブリンの測定が行われる場合
もあります。
同じ結節性甲状腺疾患でも(3-1)の甲状腺腫で大きいが,経過を見るだけでいいと言わ
れているものとか、(3-2)の腺腫様甲状腺腫なら、それでもいいとは思います。が、
別個に腺腫様甲状腺腫について書いておきます。ですから結節性甲状腺腫か結節性甲
状腺疾患かも不明ですので一概にこうすると言えないのです。
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