【耳への投射痛、放散痛】
耳鼻科では耳には何も炎症がないのに、風邪とか咽頭の炎症で耳が痛いと思うことが
あります。まず耳にはいろいろな知覚神経が入っています。でこれらの神経はほかに
分布するところがたくさんあります。
たとえば外耳道は三叉神経の３番目の枝が支配していますが、これは舌の奥、口腔底、
歯に分布しています。この分布してる部分の炎症や痛み、たとえば歯の疾患、上顎洞
炎、顎関節症によって、あたかも耳が痛くなるようないわゆる『放散痛』を感じます。
そのほか迷走神経という神経は、外耳道や中耳だけでなく、喉に分布して喉頭炎など
で耳が痛くなることがあったり、逆にこの外耳道の刺激（みみかきをする）などでく
しゃみと咳が止まらない場合もあり、一種の反射になります。
ほかにも舌咽神経という神経で、耳の知覚だけでなく、主な支配領域が舌の後ろとか
口蓋扁桃などに分布する神経もあります。口蓋扁桃腺の炎症で耳が痛くなったり摘出
後の耳の痛みなども、この放散痛によるものもあります。
ほかにも頸神経支配もあり、肩凝りで耳に違和感をもつ人もいます。 これらを『放
射性耳痛』といいます。
ほかに気をつけることは帯状疱疹というウイルス疾患で、その発疹が出る数日前にこ
ういう痛みが走ることもありますので、突然起こって、しかも急激な痛みで初めてな
どの場合は特に気はつけないといけません。といっても、こういう場合は数日後なん
らかの症状、つまり発疹とかも起こりますが。
そういうふうに『耳に異常がなくても耳に痛みを覚える』場合は多いのです。耳鼻科
で相談されてみることでしょうか。かゆみとして感じる場合、軽度の痛みを違和感と
感じる場合もあります。これは耳の痒み 神経の放散からくるもの、を参考にしてください。
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