歌をうたうことと耳鼻科についてのページに戻る【合唱と慢性の喉の疾患】 発声障害を参考にしていください。 実は急性の場合は何とか元に戻せますが、問題は慢性の疾患です。 前に書いた反回神経マヒでも、長期に渡る場合、声帯が長期に閉じない場合もあり ます。 そして神経マヒだけでなく声帯そのものの病変で 慢性で問題になるのは声帯結節、 声帯ポリープです。歌ってもいい声がでません。また前者は段々小さくなるまで数カ 月声をセーブして歌わない方がいいと言われ、後者もいざとなったら手術ですが、こ の手術にしても声帯の一部を傷つけるので、また術後歌い過ぎて再発もあります。 まず慢性にならないために、急性の発声障害の時には無理しないことです。 声帯ポリープ、声帯結節も歌い過ぎが関係すると言われています。 小さい声帯にできた傷が、歌う振動によって治らずポリープ状になったりもともと 両方の声帯にある突起（これはだれでもある声帯突起です）が少し炎症を起こした時 にまた歌ったことによって声帯結節になりうるからです。 声帯ポリープ、あるいは声帯結節はきわめて早期に発見して、しかも声をセーブし たら次第に小さくなる例があります。これを可逆性変化といいます。このような場合 は苦しいですが数カ月大きな声で歌ったりしゃべったりしないことでしょう。 セーブしてもそこに出来てしまった場合でもう手術摘出以外除く方法がない場合は 不可逆性変化といいます。 まず可逆性変化の声帯疾患ができないようにする予防としてはやはり声を無理して 出さないことでしょう。 正しい発声をすることがたいせつで、これはきちんとボイストレーナーについて腹 式呼吸で習ってください。 特に前に書いた急性炎症でも無理に毎日声を出しているとポリープのでき初めが出 来たり、あるいは過剰に毎日歌っていると声帯結節（謡人結節とも言うくらいです） が起こったりします。しかしまだ可逆性変化ですめば、それで数カ月後に消えること もあります。 問題はまだ可逆性変化であるのに、それを無理に出そうとして同じように声を酷使 して不可逆性変化にしてしまうことです。可逆性変化のうちに治してしまうこと。ま た反回神経マヒもそのまま歌うと声帯に炎症が起こりマヒが治って声帯が動くように なったのに、声帯の慢性炎症が残るためまた歌えなくなった例もあります。きちんと 定期的に耳鼻科で見ていただくことでしょう。 それならまったく歌えないか？確かに元に戻るまでは数カ月かかることもありま す。手術の必要性がある不可逆性変化にならなかったらです。 その間口ぱくぱくの練習、聞く練習、発音の練習など出来ることはいくらでもあり ます。完全復帰を目指し、発声を心置きなくできない一時を乗り越えましょう。 また一度慢性疾患になって、しかし幸いにも治ってもまた再発しやすく、声が疲れ たら休むことが一番です。 それともうひとつ、中学校の男子、声変わりの時に合唱で歌いすぎたら発声障害も 起こるので、この微妙な時期には中学校の音楽の先生は注意してください。 女子も大切です。女子の声が低い、および女声変声期があります。 それともう一つですが正しくない発声に過緊張性発声があります。喉をしめて歌う というものです。発声と急性の喉の疾患に書いています。 これも気をつけてリラックスして歌う発声指導を必ず受けるように しましょう。 発声障害の痙攣性発声障害も関係することもあります。
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