エッセイ 子供も生まず、結婚もしない選択肢（世代を考えるその５）
１９、エッセイ 2001年1月17日と百恵の時代と
２２．エッセイ 百恵の世代とその下の世代（聖子世代、友里恵世代）たち
２３、エッセイ 少子化対策のかぎは高校生に(百恵世代ジュニアたち）
２４、エッセイ 百恵の時代と今、その続編（その時代、その子供たち、その親たち）
２５．エッセイ 子供を産まず結婚もしない選択肢は
シリーズとして書いています。
ただ、この「人生設計に育児と仕事を入れてる」高校生のしっかりした少女たちが多
い反面、(長女にいわせると、資格とって仕事もって結婚して子供育てるのは普通だ
とか・・・）最近、高校で講師をしても高校の生徒たちの話を聞いていると突然４年
くらい前から急に多くなってきてる別個の一群があります。
つまりその人生設計に、「結婚、出産を入れない子達」。最近急に増えてるのをこっ
ちでも感じます。仕事や自分のなりたいことには夢が多い、しかしそこに結婚や子供
の影がびっくりするくらい薄い、独身でも構わないという世代が増えています。この
３,４年くらい前そう、神戸のあの忌まわしい事件くらいからでしょうか。そして週
刊誌などで、パラサイト・シングルということばが急に増えだしました。
それなりにサバイバルして、仕事兼結婚兼育児を母親と同じようにして（キャリアな
んてものじゃなくて、食うために）子供を作ろうという（このあたりでは標準的な考
えの高校生の）一群もいる、あるいは一旦育児のため育児に専念してそれから子供が
大きくなってから働こうとする設計を考える人は解ります。どちらでも幸せになって
ほしいのです。そして不妊治療も健康保険が使えるようになってほしいです。
しかし、すでに週刊誌などやメデイアでパラサイトシングルが取り上げられるその前
から、はじめから何かをあきらめる一群の少女たちが増えてきてるのを、以前エッセ
イの少子化で書いておきました。
そのあきらめの第一に切られるのが、結婚や子育てではあまりにも悲しいのでは・・
とおもっても、それが一部高校生の選択になっているのです。信じられないかも知れ
ません。ただ、この数年急に増えてきてるのです。
エッセイの少子化で書いたように、今から子供を産む予備軍の少女たちにこういう考
えが、メデイアから洗脳されたように、４，５年前から増えているようです。「だっ
て、もし子供が病気になったり、性格が悪くなったり、１７歳の犯罪なんか起こした
ら、今はなーんでも母親の責任にされるでしょ。幼児虐待だって、そうでしょ。どう
せ母親が悪い悪いと言われるし、個人の問題としても、必ず専業主婦だから、兼業主
婦だから・・・がつくでしょ。母親が専業主婦だったら専業主婦だからそのストレス
が子供を悪くしてたといわれるし、母親が働いていたら母親がしっかり見てなかった
からだといわれるし。どっちにしろ母親が悪いっていわれるでしょ。すごーく損じゃ
ん。そんなのわかんないじゃん。」
そうなんです。なぜマスコミは○○主婦だからとひとくくりにするのでしょう。
「結婚したら回りは子供子供とうるさいでしょ。子供欲しくないもん。だから結婚し
ない。」一群の女子高校生たちはそう答える。
「離婚して、その子が問題を起こしたら、やはり片親だけは駄目ねえと言われるでしょ
。」
結婚して子供ができたら、どうしても（ここのように女性の働きが優遇されてる農村
の特殊な地域でなく、都会で子育てなどすると）とくにメデイアの中、今の日本では
女性は損な役につくことになると少女たちは感じています。これは仕事をもっていよ
うが、子育てに専念しようが同じです。
私も実感しています。体験ずみです。
そして今の若い世代も敏感に感じ取っています。子育てに夢がなくなってることも実
感として解ります。この農村でそうなら都会ではどんなのでしょう。
今女性も男性も一番楽な生き方は「成人しても一生子供」でいることでしょう。パラ
サイトシングル。親元で成人してもずっと同居、自分の給料は自分のもの、生活費は
親。そして結婚したら生活のレベルが下がる。海外旅行もブランド品も買えないだろ
う。じゃあ、結婚はやめよう。子供作るのやめよう・・・少子化はどんどんふえるで
しょう。（このあたりではほとんどなくても。）
７、エッセイ 少子化は仕方ないことかもに書いております。
子供作らなかったら、親が悪いといわれなくてもすむ。結婚しなかったら自分の好き
なこともできるし、毎日楽しくくらせるしと。
もう専業主婦か兼業主婦か選択しても、女性は結婚と出産が普通という時代でなくな
り、結婚をしない、あるいは選択で子供を作らない一群も増えているのです。今の日
本では自分は子供を持ちたくない、結婚もしたくないという若い女の子達に対し、私
はどういえるのでしょうか・・・現実に実際結婚し、子供を作ると、兼業主婦だろう
が専業主婦だろうがともかく女が損をするという意識、だから子供を作らないという
世代が増えてる。
私にはこれら高校生になんていえるでしょうか。今は仕方ない・・・今の日本では・
・・結婚して、子供を作っても幸せになるとも限らないからね、あなたも、子供たち
も・・・としかいえないと思うのです。今実際子供を作ると、兼業主婦だろうが専業
主婦だろうがともかく女が損をするという意識は、もっと若い世代の高校生と話して
感じますが、若い世代の女性の一部に何か呪縛のようにいきわたっているような気が
してなりません。これは少子化のところで書きました。
若い世代は人生を選択していこうとします。実行可能かは別にしてです。今は、子供
を作るということも、必須でなく、一つの選択肢になっています。結婚も一つの選択
肢になっています。これが私たちの世代と大きな違いでしょう。私たちは子供を産み、
結婚することは人生の自然なことでしたが、今は選択なのですね。なんとかそういう
若い世代に、自然に結婚して子供を作ろうという気持ちになってほしい。そういった
私たちの後輩の女の子たちが、たとえ一時的に子育てに専念する道を選ぼうがあるい
は、ずっと仕事を続ける道を選ぼうが、ともかく、その希望をかなえれ、幸せになれ
る道を開き、暖かく見守るのは私たちではないかと思う次第です。
もう兼業主婦だから、専業主婦だからと、言う時代でない、個々の生き方を尊重しあ
わないと・・・後輩たちの高校生はちゃんと見ています。兼業主婦は大変だ、しかし
専業主婦でも悪く言われる。それでお互い、けんかしてる。じゃあ、そんならはじめ
から結婚しなきゃいいんだ。って。そして、まあ、今（独身時代）がよければいいじゃ
ん、とパラサイトシングルを謳歌して、その先に行き着くものは・・・・。
独身時代は楽です。今から確かに不況の時、信じられるものは自分しかいないと感じ
出したら、女性も男性も会社にも依存せず、結婚にも依存しないと思ってる道を選ぶ
でしょう。誰からも自由と思ってる（といっても実はしっかりと親や大人の世代に依
存してる）フリーターの大幅増大、パラサイトシングルの増大、これは何を物語って
いるでしょうか。
１９、エッセイ 2001年1月17日と百恵の時代と
２２．エッセイ 百恵の世代とその下の世代（聖子世代、友里恵世代）たち
２３、エッセイ 少子化対策のかぎは高校生に(百恵世代ジュニアたち）
２４、エッセイ 百恵の時代と今、その続編（その時代、その子供たち、その親たち）
２５．エッセイ 子供を産まず結婚もしない選択肢は
２６、エッセイ 更年期の始まりかもしれない(百恵世代のつぶやきその１）
２７、エッセイ なぜこの町で女性が働くか（百恵世代のつぶやきその２）
２８、エッセイ 高度成長化地代の最後の世代から（百恵世代のつぶやきその３）とシリーズにしています。
なお、このの2年半後の夏に書いた、エッセイ 2003年初夏 40代からのおしゃれ ポスト友里恵の世代は・・・即リセットとケータイ世代
これが2年半後に感じたことです。
シリーズとして書いています。
しかし、生みたくても生めない一群の人たちもいることも。不妊治療の高価で苦しい
ことも自分で実感しました。
