耳疾患のページから【中耳炎とはなんでしょう 質問とお答え集】 私の病院で作成のパンフレットを書いておきます。 （ここから） 質問：中耳炎にもいろいろあるのですね。 お答え：主に急性中耳炎と滲出性中耳炎があります。 質問：では急性中耳炎はどうして起こるのですか。 お答え：急性中耳炎の原因から説明します。急性中耳炎は まずどこから感染するかから ですが、これは耳管経由で感染します。この管は山やトンネルで耳がキュウーンとなった ら鼻をつまみ息こらえします時、この時耳にカパッと抜ける鼻から耳に通じる空気抜きの 穴です。耳管は耳の中耳(鼓膜の向こうの穴）と鼻の奥を通じさせ 、中耳の空気圧を一定 にして鼓膜が振動しやすい状態にする働きがあります。 鼓膜は外と中の圧が同じでもっともよく振動するから、聞こえに非常に重要な管です。急 性中耳炎はこの耳管経由で鼻やのどの主に急性炎症が中耳に及ぶ状態です。結果、炎症を 起こしてる状態で炎症を起こした菌が中耳の中に溜まる状態になります。鼓膜に穴が空い てる、慢性中耳炎でないかぎり耳に水が入っておこりません。)外耳経由でない, 耳管経 由の鼻やのどの炎症の普及と考えてください 。 治療についてですが、中耳内で炎症の結果中耳に膿がたまり, たまりすぎると,鼓膜が自 然に破れ『耳垂れ』となりますが 鼓膜の破れる前は中の膿が鼓膜を圧迫して結果痛みが あり、そこで鼓膜切開で膿を出すのです。また破れる前は「非常に痛い」耳痛が起こりま す。（このななめに走っているピンク色の管が耳管です）
質問：鼓膜切開は怖くないのですか。絶対しないといけないのでしょうか。 お答え：もちろんそこまでひどくない場合は抗生物質で炎症をくいとめ、炎症の自然にと れることを待つ場合もあります。鼓膜切開をしない場合もあります。 ただあまりに炎症が強く、耳の痛みが強い場合は切開して膿を出します。 破れた鼓膜はすぐに修復するので心配ないんですが、鼓膜切開をいやがり、膿をためたま まにしておくと, 膿は消失せず結果よく『滲出性中耳炎』に移行して難聴気味になるので , 急性中耳炎での早期発見早期治療が必要です。 質問：治療はどうするのでしょうか。 お答え：早めに発見したら切開しなくてもいい場合もあります。抗生物質で中耳の炎症を くいとめ（中耳の中のわるい細菌などを抗生物質などで殺し）同時に鼻や喉の炎症を止め る治療と、膿を出す治療をします。 質問：いつまで通院しないといけないのでしょうか。 お答え：中耳の膿の消失までを原則としています。これは鼓膜切開の有無、痛み、炎症の ひどさや再燃、破れた鼓膜の修復によって違います。また鼻とか喉の状態でも違ってきま す。 通院は個人によって違いです。 抗生物質の効き具合も関係します。 急性中耳炎でも痛みを訴えない例もあります。風邪で中耳炎になるのは耳管経由で炎症が 中耳に普及しやすいからです。 もちろん中耳に炎症の原因となる喉や鼻の炎症も一緒に 治療しなくてはいけません。 質問：予防はできますか。 お答え：お子さんでしたら予防法は鼻水をださない治療(子供の鼻炎とか)や喉に慢性の炎 症などがあるときはまず(扁桃腺肥大など)その治療も必要です。 風邪を引いたら当然喉 や鼻の炎症は耳管経由で中耳に普及して中耳炎になりやすく、これが小児の中耳炎のほと んどの原因です。 質問：次に滲出性中耳炎とはなんでしょう。 お答え：鼓膜の向こうの中耳の中に、炎症を「起こしてない」液がたまって、耳が聞こえ にくくなっている、あるいは音を伝える鼓膜の動きが悪い状態です。繰り返す急性中耳炎 の原因になることもあります。 質問：滲出性中耳炎の原因を教えてください。 お答え：滲出性中耳炎は原因として、 １ 耳と鼻とをつなぐ耳管の働きが悪くなり(トンネルに入ったとき，耳がつんとするとき に鼻をつまんで,きゅっと息ごらえをすると耳に空気が抜けますね。これが耳管で,これで 鼓膜の外と中の空気調節をする管です。)耳管狭窄をおこしたものだという説。 「耳管狭 窄症」ともいいます。原因として鼻の疾患やアデノイド肥大などが考えられます。 この場合、中耳の中の圧が陰圧になると周囲の中耳粘膜などから,分泌物や滲出液が出ま す。 2、あるいは以前に急性中耳炎(痛い中耳炎です)に罹患後に、完全に急性中耳炎の耳の膿 をとりのぞけなかったため、その残った膿が溜まって、この滲出性中耳炎に移行して入る という説などいろいろです。 かい摘まんで言えば、『鼓膜の向こうの中耳の中に浸出液がたまって、耳が聞こえにくく なっている』『あるいは音を伝える鼓膜の動きが悪い』状態です。 質問：どうやって調べるのでしょうか。 お答え：まず鼓膜を見ます。それでだいたい滲出性中耳炎かが解ります。聞こえるかどう か検査の標準的な聴力検査をしたり、鼓膜の可動性や耳小骨可動性を調べるためインピー ダンスオーデイオメトリー（テインパノメトリー）をすることもあります。お子さんの言 語発達や態度でわかることもあります。聞こえづらいことで、いろいろな特徴が出ます。 質問：滲出性中耳炎の治療はどうするのでしょうか。 お答え：治療は Ａ、耳管の調子をよくすること(鼻の治療)今副鼻腔炎もアレルギー性鼻炎、耳の聞こえを よくするために,耳管そのものに空気を送る治療と鼻そのものの治療を平行して行う必要 があります。耳管の鼻側の入り口付近の粘膜をきれいにすることです。。 Ｂ、耳管通気をすること(ポリツエル通気、カテーテル通気など要するに鼻から 耳管経由で中耳に空気を送ることです)今の『がっこう』がこれです。 Ｃ、あまり難聴があったら一旦切開などで中の液の排泄を計ります．これはまず切開で図 ります。しかし鼓膜の穴はすぐ閉鎖します。 数日後には閉鎖して粘液が出てしまいきらないうちに、閉鎖する、また繰り返すという結 果になるので、しばらく鼓膜に穴が空いてる状態にするために鼓膜に穴をあけてチューブ をしばらく立てることもあります。これはそれほど多くの例はありません。 『たいてい ＡとＢとＤで済みます。』 Ｄ：滲出性中耳炎は急性中耳炎を繰り返す場合が多いので、その予防もします。 質問：とても長いので心配です。途中で止めてはいけないのでしょうか。 お答え：滲出性中耳炎は症状により治療期間はどのくらいかかるかはわかりません。大人 になれば治って行くケースが非常に多くこれはご安心ください。 確かに非常に嫌がる子どもさんもいます。 軽度難聴児の治療で 診察治療で暴れる子どもたち（年長さんから小学生低学年）は難聴と関係ないか？ も参考にしてください。 また問題は『軽度難聴』で言葉を覚え、学習する大切な時期なんで,けして放置しないで ください。ただ年齢がたてば必ず治る病気です。なおっていってるかどうかの検査はまず 鼻の病気（アレルギー性鼻炎など）がないかと、後耳の鼓膜の状態を見ることと、聴力検 査とティンパノグラムという鼓膜の動きやすさを見る検査を行うこともあります。 質問：では聞こえが関係するのですね。 お答え：ただ放置しておけば現在が軽い難聴なので一見解らないこともありますが、 特にお子さんの場合言葉が遅れたり、言葉がはっきりしないこと（機能的構音障害）引っ 込み思案になるとかの性格的な問題や、先生の声が聞こえないなどの問題などがあります ので、治療は持続なさってください。 質問：しょっちゅう繰り返す急性中耳炎になるのも、滲出性中耳炎と関係あるのでしょう か。 お答え：炎症のない滲出性中耳炎の中の液が、風邪などから、上の耳管経由で炎症が起こ り、炎症がたまった滲出液になり、『繰り返す急性中耳炎』も起こすこともあります。 質問：鼻も治療しないといけないのですか。 お答え：もし鼻の病気(アレルギー性鼻炎など)に耳管の調子が左右されるなら鼻を治すこ とが大切です。 必ず治る病気ですがやはり言葉を覚える大切な時期なので続けるようにしましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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中耳炎､急性中耳炎 ・・・・痛い急性中耳炎って何？
中耳炎 急性中耳炎でも痛みを訴えない例
繰り返す急性中耳炎（炎症性）
中耳炎 小児の急性中耳炎の難治化（抗生物質が効かない例増加）と難治性急性中耳炎
耐性菌・・急性中耳炎や慢性中耳炎でMRSA、緑膿菌、 ＰＲＳＰ ペニシリン耐性肺炎球菌感染症が 検出された場合はあります。
急性中耳炎とMRSA
緑膿菌、 ＰＲＳＰ ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
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個々の症状や疑問は耳へのご質問のページを参考にしてください。
